2008年 06月 12日
布か紙か、共に楽しめる部屋(フランス) |
カーテンと壁”紙”を同じ柄か、
カーテン生地の中の色を選んでカーテンにするか、
こういう事はフランスのちょっと上の生活者はあたりまえとする。
わたしは”紙”の壁紙を値段が許す限り使う。
紙は10年経過してもなお奇麗だし気持ちが良い。
クロスを使わないで漆喰や藻土を使うのもいい。
色も昔ながらの色がある。
良く質問される。
どうして”frruruさんのところはなんともなっていないのですか。
それはわたしの事務所にサンプルかねて壁”紙”を貼っているのを見てのこと。
お風呂も奇麗ですね。
キッチンもーーー
打ち合わせを重ねるごとに、
どうして?と聞かれる。
それは主に汚れ、カビや剥がれに対して。
紙は破れないのか、
水に弱くないのか、
等々。
使用するものは見るのが一番。
わたしの事務所はずっと以前から、
壁には紙のクロスを使用している。
そして以前は窓にはブラインドを使用していたが、
今はクロスと同柄や同色のファブリックにしている。
(ファブリックの揃う紙のクロスをできるだけ選んでいる)
勧めるものは、
勧められるものにすれば、
生活している中で使用している状態を見ると納得できるもの。
平米単価4000近くするので、
一般的に使われているものからすると非常に高いということになる。
”同じようにしたい”と、
住宅の”モデルルーム”のように我が事務所がなってしまうときもあるが、
クロスはもう10年も前のものだからーー同じは無理なのですが、
なんともなっていないのが普通だと思っているわたしは、
あまりに奇麗と言われると、
反対にそこまで汚くなってしまうのかと思ってしまう。
生活の仕方やいろいろな条件に依って当然違いは個々あるが、
紙や自然素材のもの以外には往々にして、
普通以上の汚れを寄せ付けることになる。
クロスのはしが浮いていたりすると気の毒にもなるが、
ゴミとカビを寄せ付ける効果があるものが多いい、
と皮肉っぽく言ってしまいたくなる。メーカーへ。
ただただ値段だけにこだわると質の悪いものが平然と出回る。
良い紙や藻土は、
安くはないけれど、
それだけのことはある。
ものと値段は大抵の場合釣り合っている。
質の良いものは安価なものに比べると高いが当たり前だ。
作り手の腕が良いと言う事は、
バランスよくお金が使われ、
材料が使われる、
という事だ。
家の30パーセントは内装に使われるというのが欧米の話。
日本は10パーセントにも満たないといわれている。
インテリアの捉え方が違う。
いい色いい質のものはそれを見て過ごす私たちの健康にも関係する。
という事までは考えられていないようだ。
やはり”健康的”がいい。
家に着せる衣としては、
出来るだけ”息”(呼吸)の出来るものを使って欲しい。
内側の下着も何でも良いとはおかしな話だ。
他人に見せるものではなく、
自分が心地よい事を重視する事が大切だ。
だけど、バランスを良く、
という事が一番難しい事のようだ。
それぞれの自由と言えば何をするのも(趣味の世界)自由だが、
色を大事にする事は人間を大事にする事も気づかれていない。
気がかりな事はまだある。
最近、
高断熱という言葉を良く聞くが、
地域性を考えてすべきだと思っている。
しかも暮らし方にも拘って来る。
個々の生活は異なる。
わたしは結露にや湿度に拘る。
注意すべき事は、
単に飾る事をインテリアと単純に考えているならば、
そうではないという事。
地域の暮らしというものは、
その土地の気候が大きく関係する。
カーテン一つ取ってみても、
何のためにするのかというのは家ごとに異なる。
それが重要な点だ。
住宅は人間の心と体のように切り離して考えられないものが沢山ある。
だからデザイナーは大変だがかつ楽しく又多くの事を学ぶことができる現場だ。
いくら良く窓まわりを飾っても、
いろんなことを理解していなければ、
ファブリックも鬱陶しい邪魔なものになるだけだ。
内緒:
”換気”という事をもっと考えて暮らして行かなければ、
この日本ではカビや様々な問題に直面せざる得ないことになります。
窓際は冬の結露の問題を無視は出来ないので窓に何をもってくるか、
選ぶ時には様々な課題をクリアーする事が必要です。
単純に窓の結露を防ぐ”もの”があるという事では解決しない、
もっとそこには人間に取って家に取って大事な問題があるという事です。
by frruru
| 2008-06-12 12:39
| インテリア